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料金・自己負担を知る

生活保護で訪問介護は使えるか(介護扶助)

Published
作成日: 2026年7月1日
Updated
最終更新日: 2026年7月1日

生活保護を受けていても訪問介護は利用できます。介護扶助の仕組みと自己負担、年齢による違い、利用開始までの手続きの流れを分かりやすく解説します。

01結論:生活保護でも訪問介護は利用できる

結論から言うと、生活保護を受給していても訪問介護は問題なく利用できます。生活保護制度には8つの扶助(生活・住宅・教育・医療・介護・出産・生業・葬祭)があり、このうち介護サービスの利用にかかる費用をまかなうのが「介護扶助」です。訪問介護(身体介護・生活援助)は介護保険の居宅サービスとして介護扶助の対象に含まれます。

訪問介護そのものの中身(できること・できないこと)や介護保険の仕組みは通常の利用者と変わりません。違うのは費用の支払われ方だけです。生活保護だからといって使えるサービスが制限されたり、事業所探しが特別難しくなったりすることは基本的にありません。まずは「介護扶助という仕組みで費用がまかなわれる」という全体像を押さえておきましょう。

02介護扶助とは何か

介護扶助は、生活保護法にもとづき、介護保険サービス等の利用にかかる費用を給付する仕組みです。生活保護を受給している人(被保護者)が要介護・要支援状態になった場合、居宅介護(訪問介護を含む)、福祉用具、住宅改修、施設介護などの費用が対象になります。

医療扶助が医療サービスの費用をカバーするのと同じ構造で、介護扶助は介護サービスの費用をカバーします。ポイントは、サービスの内容自体は介護保険制度に準拠していること。生活保護受給者向けに特別な訪問介護サービスがあるわけではなく、通常の訪問介護事業所が提供するサービスを、費用の負担方法だけ生活保護の仕組みで賄う、というイメージで理解すると分かりやすいです。

03自己負担はいくらになるか(年齢・加入状況で異なる)

生活保護受給者の介護扶助での負担のされ方は、年齢と医療保険の加入状況によって2パターンに分かれます。

区分対象自己負担分の扱い
介護保険の被保険者(65歳以上、または40〜64歳で医療保険加入者)介護保険の給付が優先。自己負担分(原則1割)を介護扶助が給付実質的な自己負担は原則なし
介護保険の被保険者でない人(40〜64歳で医療保険未加入、いわゆる「みなし2号」)介護保険からの給付がないため費用の全額(10割相当)を介護扶助が給付

いずれのケースも、指定の介護機関を利用すれば本人の窓口負担は生じない「現物給付」が原則です。65歳以上の生活保護受給者は介護保険の第1号被保険者となり保険料の納付義務がありますが、保険料は生活扶助に上乗せする形で賄われ、実質的な自己負担は生じない扱いになっています。

なお、生活保護を受給していない一般の利用者の場合、自己負担の割合がどう決まるかは所得等に応じて1〜3割に分かれる仕組みになっており、訪問介護の料金全体の仕組みを押さえておくと、介護扶助による負担のされ方との違いも理解しやすくなります。また、費用のベースとなる基本の金額自体は、事業所の体制や提供時間帯などに応じた加算による料金の変動によって上下する点も、あわせて知っておくと理解が深まります。

実際の適用区分や負担の有無は、個々の事情(他の収入・年齢・医療保険の加入歴等)によって福祉事務所が判断します。詳細は担当のケースワーカーに確認してください。

生活保護受給者が訪問介護を利用する際、介護保険の被保険者は自己負担分を介護扶助が給付し、医療保険未加入の40〜64歳は介護扶助が全額を給付するという制度上の位置づけを示す図

04訪問介護を使うまでの手続きの流れ

生活保護受給者が訪問介護を利用するまでの大まかな流れです。

  1. 要介護認定の申請(65歳以上、または特定疾病に該当する40〜64歳の場合):市区町村の窓口またはケアマネジャー経由で申請
  2. 福祉事務所への介護扶助の申請:介護保険の被保険者であっても、別途、住まいを管轄する福祉事務所に介護扶助の申請が必要
  3. ケアプランの作成:ケアマネジャーが要介護度に応じたケアプラン(訪問介護を含む利用計画)を作成
  4. 福祉事務所による給付決定と「介護券」の交付:福祉事務所がケアプランをもとに介護扶助の給付を決定し、利用する訪問介護事業所などの指定介護機関に月単位で「介護券」を送付
  5. サービス利用開始:訪問介護事業所は介護券の内容をもとにサービスを提供し、費用を国民健康保険団体連合会等に請求

ポイントは、介護保険の申請だけでなく、福祉事務所への介護扶助の申請が別途必要なことです。すでに担当のケースワーカーがいる場合は、訪問介護の利用を検討し始めた段階で早めに相談しておくとスムーズです。

05「介護券」とは何か(事業所選びで知っておきたいこと)

介護券は、福祉事務所が発行する「この利用者は介護扶助の対象である」ことを証明する書類で、月単位で該当の訪問介護事業所などに送付されます。訪問介護事業所側はこの介護券の記載内容を介護報酬の請求書類に転記して費用を請求する仕組みです。

利用者・家族の立場では、介護券の発行自体は福祉事務所とケアマネジャー・事業所の間でやり取りされるため、直接手続きする場面は多くありません。ただし、利用を始めたばかりの時期は介護券の送付に時間がかかることがあるため、サービス開始のタイミングでケアマネジャーや事業所と「介護券が届いているか」を確認しておくと安心です。

06事業所探しで確認しておきたいこと

訪問介護事業所の多くは生活保護受給者への対応に慣れていますが、契約前に次の点を確認しておくと安心です。

  • 生活保護受給者(介護扶助)の利用実績があるか:重要事項説明書や事前の問い合わせで確認する
  • 福祉事務所・ケースワーカーとの連携に慣れているか:介護券のやり取りがスムーズか
  • 希望するサービス内容(身体介護・生活援助)に対応しているか:事業所によって体制が異なる
  • 区分支給限度額の範囲内で希望するサービス量が組めるか:ケアマネジャーとケアプランの段階で相談する

事業所ごとの受け入れ実績や対応体制の詳細は、事業所詳細ページや直接の問い合わせで確認するのが確実です。エリアや条件で事業所を絞り込みたい場合は事業所を探すから検索し、気になる事業所には直接問い合わせてみましょう。

07よくある誤解と注意点

「生活保護だと使えるサービスが制限される」という誤解がありますが、訪問介護で提供できる内容(身体介護・生活援助)自体は他の利用者と同じです。制限があるとすれば、区分支給限度額の範囲内でケアプランを組む必要がある点で、これは生活保護の有無にかかわらず介護保険全体のルールです。

また、福祉用具のレンタルや住宅改修も介護扶助の対象になりますが、こちらも別途申請が必要な場合があるため、ケアマネジャーに早めに相談しましょう。生活保護の受給が始まったばかりで手続きが整っていない場合は、一時的に費用の立て替えが発生することもあるため、不明点は自己判断せず福祉事務所の担当者に確認することが大切です。

FAQ

このガイドのよくある質問

多くの場合、実質的な自己負担は生じません。65歳以上や医療保険に加入している40〜64歳の人は、介護保険の自己負担分(原則1割)が介護扶助として給付されます。医療保険に未加入の40〜64歳の人は、費用の全額が介護扶助の対象になります。個別の状況によって扱いが異なるため、担当のケースワーカーに確認してください。
はい、別々の手続きです。要介護認定の申請は市区町村の窓口やケアマネジャー経由で行い、それとは別に、住まいを管轄する福祉事務所へ介護扶助の申請をする必要があります。すでにケースワーカーがついている場合は、訪問介護の利用を考え始めた時点で早めに相談しておくとスムーズです。
制度上、生活保護を理由にサービス提供を拒否することは想定されていませんが、事業所によって生活保護受給者(介護扶助)の対応実績や介護券のやり取りへの慣れは異なります。契約前に、事業所への問い合わせや重要事項説明書で対応実績を確認しておくと安心です。
65歳以上の生活保護受給者は介護保険の第1号被保険者となり、保険料の納付義務があります。保険料相当額は生活扶助に上乗せされる形で賄われる扱いのため、実質的な自己負担にはなりません。納付方法や時期の詳細は福祉事務所に確認してください。
生活保護の受給決定や介護扶助の手続きが整うまでの間は、費用の立て替えが必要になる場合があります。手続きの進め方はケースによって異なるため、自己判断せず福祉事務所の担当ケースワーカーや利用予定のケアマネジャーに早めに相談することをおすすめします。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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