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特定事業所加算とは?区分Ⅰ〜Ⅴの違いと、利用者の自己負担・事業所選びでの見方を表すイラスト事業所の選び方・見極め

特定事業所加算とは?区分Ⅰ〜Ⅴの違いと、利用者の自己負担・事業所選びでの見方

Published
作成日: 2026年7月1日
Updated
最終更新日: 2026年10月9日

結論、特定事業所加算は研修・会議・有資格者の配置などの体制を整えた訪問介護事業所が届け出て算定する加算で、2024年度改定以降の区分はⅠ〜Ⅴの5つです。区分ごとの要件の違い、自己負担への影響、重要事項説明書での確かめ方を整理します。

01特定事業所加算とは何を評価する仕組み?

特定事業所加算とは、研修や情報共有の会議、有資格者の配置、重度の利用者への対応など、決められた体制を整えて都道府県や市区町村に届け出た訪問介護事業所が算定する加算です。区分はⅠ〜Ⅴの5つあり、利用者の自己負担にも上乗せされます。

加算の対象になるのは、訪問介護員等の研修体制やサービス提供責任者の経験年数、重度の利用者への対応実績などです。訪問介護の重要事項説明書や事業所案内に「特定事業所加算(I)算定」のように記載されている場合、その事業所が一定の体制基準を満たしていると介護保険上認められていることを示します。

加算は事業所が独自に名乗れるものではなく、要件を満たしたうえで指定権者(都道府県・市区町村)に届け出て初めて算定できます。届出内容は定期的な点検や実地指導の対象にもなるため、加算の有無は事業所選びの客観的な目安のひとつになります。ただし、加算が示すのは事業所の体制であり、担当ヘルパーとの相性や訪問の丁寧さまでは分かりません。

02どんな体制が評価されている?

評価されるのは「体制」「人材」「重度者等への対応」の3つの観点です。どの区分でも、研修・会議・情報伝達・健康診断・緊急時の対応方法という体制の要件は共通して求められます。

3つの観点の中身は次のとおりです。

  • 人材要件: 介護福祉士など有資格者の割合、サービス提供責任者の実務経験年数
  • 体制要件: 訪問介護員等・サービス提供責任者ごとの研修計画に基づく研修、利用者情報や留意事項を伝える会議の定期開催、文書による情報の伝達と報告、健康診断等の定期的な実施、緊急時の対応方法の明示
  • 重度者等対応要件: 要介護4・5の方、認知症の症状が重い方、たんの吸引等が必要な方の割合、または看取り期の利用者への対応実績(看取りの場合は看護師との24時間の連絡体制や対応方針の整備も必要)

これらは、職員の定着や、緊急時・重度化したときの備えに関わる項目です。「研修をしているか」「情報共有の場があるか」「重度の人も受け入れているか」を数値や実績で示せる事業所が評価される仕組みと理解すると分かりやすいでしょう。

人材要件・体制要件・重度対応要件という3つの柱が特定事業所加算を支える構造図

03区分Ⅰ〜Ⅴは何が違う?

区分Ⅰ〜Ⅴは、共通の体制要件に「人材」「重度者等への対応」「中山間地域での継続提供」のどれを組み合わせて満たしているかで分かれます。上乗せの割合はⅠが20%、ⅡとⅢが10%、ⅣとⅤが3%です。

2024年度(令和6年度)の介護報酬改定で区分が組み替えられ、以前の(Ⅳ)は廃止、以前の(Ⅴ)が新しい(Ⅳ)になり、中山間地域等での継続的なサービス提供を評価する(Ⅴ)が新設されました。厚生労働省の改定資料(令和6年度介護報酬改定の主な事項について)をもとに、区分ごとの違いを整理すると次のとおりです。

区分所定単位数への上乗せ共通の体制要件に加えて求められること
Ⅰ20%有資格者の割合とサービス提供責任者全員の実務経験の両方、さらに重度者等への対応(要介護4・5等の利用者の割合、または看取り期の対応実績)
Ⅱ10%有資格者の割合、またはサービス提供責任者全員の実務経験のどちらか
Ⅲ10%重度者等への対応に加え、常勤のサービス提供責任者を基準より多く配置、または勤続7年以上の職員が30%以上
Ⅳ3%常勤のサービス提供責任者を基準より多く配置、または勤続7年以上の職員が30%以上
Ⅴ3%中山間地域等に住む利用者へ継続してサービスを提供し、状況の変化に応じてサービス提供責任者が起点となって訪問介護計画を見直す体制

利用者の立場で読むと、Ⅰ・Ⅱは「資格や経験のある職員がそろっているか」、Ⅲは「重い状態の人や看取りの人を受け入れてきたか」、Ⅳは「サービス提供責任者の厚さや職員の定着」、Ⅴは「山間部などでも訪問を続けているか」を表しています。Ⅰ〜Ⅳのうち2つを同時に算定することはできませんが、Ⅴは他の区分と併せて算定できます。

この表の「有資格者の割合」は、訪問介護員等のうち介護福祉士が30%以上、または介護福祉士・実務者研修修了者等が50%以上であることを指します。2026年6月施行の臨時改定の資料(令和8年度介護報酬改定について)は処遇改善加算の見直しが中心で、特定事業所加算の区分の変更は含まれていません。区分や割合は次の介護報酬改定で変わることがあるため、契約時は重要事項説明書の記載で確認してください。本記事では具体的な単位数や金額は扱いません。

04利用者の自己負担はどう変わる?

加算は訪問介護の費用に上乗せされるため、算定している事業所を利用すると、その分だけ自己負担(1〜3割)も増えます。利用者から見た主なデメリットはこの点です。

上乗せの割合は区分によって異なり、上の表のとおりⅠでは所定単位数の20%、ⅣやⅤでは3%です。ただし実際の負担増の程度は要介護度やサービス利用量、区分支給限度額の残り枠によって変わるため、一律の金額では説明できません。

加算の算定の有無と料金は、契約前に事業所から交付される重要事項説明書の利用料の欄で確認できます。分かりにくい場合は、次の点を事業所に尋ねてください。

  • どの区分の特定事業所加算を算定しているか
  • 加算によって自己負担が月あたりどの程度変わる見込みか
  • 区分支給限度額の範囲内に収まるかどうか

不明な点はケアマネジャーに相談すると、他のサービスとのバランスを含めて確認してもらえます。

05加算がある事業所なら安心?

加算は届け出た体制の評価であり、「相性が良いか」「希望する時間帯に来てもらえるか」「担当ヘルパーと意思疎通しやすいか」までは示しません。

加算を算定していない事業所には、要件を満たしていない場合のほか、要件を満たしていても届け出ていない場合もあります。加算がないことだけで、その事業所の訪問の質を判断することはできません。担当ヘルパーとの相性が気になる場合は、ヘルパーとの相性・交代の頼み方も契約前に確認しておくと安心材料になります。

また、上の表のとおり、重度者等への対応の実績で算定している区分(Ⅰ・Ⅲ)もあれば、人材の要件だけで算定している区分(Ⅱ・Ⅳ)もあり、加算区分だけでは「自分の状態に合っているか」までは判断できません。加算の有無はあくまで比較検討の材料のひとつとして捉え、対応地域に自宅が含まれているかやサービス内容、実際の説明の分かりやすさと合わせて確認してください。万一、利用を始めてから対応に不満や行き違いを感じた場合は、トラブル・苦情の相談先を事前に把握しておくと落ち着いて対処しやすくなります。

06事業所選びではどう使う?

複数の事業所を比べるときの目安として使い、区分の意味を面談で確かめる、という使い方が向いています。

使いどころは次の3つです。

  1. 複数事業所を比較する際の一次スクリーニング: 体制が整っているかどうかの目安にする
  2. 重度の要介護状態や看取り期の場合: 重度者等への対応の実績で算定する区分(Ⅰ・Ⅲ)かどうかを確認材料にする
  3. 職員の定着や経験を重視したい場合: 有資格者・経験年数(Ⅰ・Ⅱ)や勤続年数(Ⅲ・Ⅳ)の要件で算定しているかを質問する材料にする

実際に確認する際は、事業所のパンフレットや重要事項説明書の記載に加えて、面談時に「特定事業所加算の区分と、その理由になっている体制」を直接尋ねると、事業所の姿勢や説明の丁寧さも合わせて見極めやすくなります。加算情報だけで決めず、事業所の選び方や比較のポイントも参考にしながら、複数の事業所を比較したうえで選んでください。

07最新の区分や要件はどこで確認する?

区分や要件は介護報酬改定で見直されるため、最新の内容は事業所の重要事項説明書と、厚生労働省の制度資料で確認します。

「介護ほうもんさーち」では、対応エリアやサービス内容から訪問介護事業所を比較検討できます。 気になる事業所が見つかったら、特定事業所加算の区分や重要事項説明書の内容は、事業所詳細ページの問い合わせフォームから直接確認できます。事業所選びに迷ったら、まず検索で候補を絞り込み、疑問点は直接確認してください。

FAQ

このガイドのよくある質問

体制面(研修・人材要件・重度者対応など)が一定水準にあることの目安にはなりますが、担当ヘルパーとの相性や対応エリア、実際のサービスの丁寧さまでは保証されません。加算の有無は比較検討の材料のひとつとして活用し、対応エリアや面談での説明など他の情報と合わせて判断してください。
加算は所定単位数に対する割合で上乗せされ、区分Ⅰは20%、Ⅱ・Ⅲは10%、Ⅳ・Ⅴは3%です(2024年度改定以降)。実際の負担額は要介護度やサービスの利用量、自己負担割合によって変わるため、契約前に交付される重要事項説明書の利用料の欄で確認するか、事業所やケアマネジャーに尋ねてください。
事業所の重要事項説明書や運営規程、事業所案内に記載されているのが一般的です。記載がない場合や分かりにくい場合は、事業所に直接「どの区分の特定事業所加算を算定しているか」と、その区分で満たしている要件を尋ねてください。
加算がないことだけで判断する必要はありません。加算を算定していない事業所には、要件を満たしていない場合のほか、要件を満たしていても届け出ていない場合もあります。加算の有無に加えて、対応エリア、希望する時間帯への対応、面談での説明の分かりやすさも合わせて比べてください。
介護報酬改定のたびに要件や加算率が見直される可能性があります。2024年度改定で区分がⅠ〜Ⅴに組み替えられ、2026年6月施行の臨時改定の資料には特定事業所加算の変更は含まれていません。具体的な単位数は扱っていませんので、最新の内容は事業所への確認や厚生労働省の制度資料でご確認ください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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