訪問介護を利用していると「記録」という言葉に何度か出会います。ただ、ひとくちに記録といっても、実は性質の異なる書類が含まれています。混同すると事業所への確認もぼやけてしまうため、まず整理しておきましょう。
一つ目は訪問介護計画です。これは、サービス提供責任者(事業所で計画作成やヘルパーの調整を担う専門職)が、これから何を目標に、どんな支援を行うかをまとめた計画書にあたります。二つ目はサービス提供の記録です。こちらは訪問のたびに、実際に何を行ったか、利用者の心身の状況はどうだったかを残していく記録です。前者が「これからの計画」、後者が「実際の実施記録」という向きの違いがあります。
この2つはどちらも、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平11厚生省令第37号。以下「運営基準」)により、事業所に作成・記録が求められている書類です。単なる事務書類ではなく、制度上の位置づけを持つものだと理解しておくと、事業所やケアマネジャーへの質問もしやすくなります。
さらに、訪問介護計画は独立して作られるものではなく、ケアマネジャーが作成する居宅サービス計画(ケアプラン)に沿って作成されるという階層関係があります。ケアプランが在宅生活全体の見取り図だとすれば、訪問介護計画はその中で訪問介護がどう役割を担うかを具体化したもの、という位置づけです。事業所探しの段階では、「うちはケアプランを踏まえてどう訪問介護計画を作っていますか」と尋ねてみると、事業所の姿勢が見えてきます。なお、計画の様式や運用の細部は事業所ごとに差があるため、具体的な書式や記載レベルは事業所へ直接確認するのが確実です。

