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制度・事業所向け

介護サービス情報公表で訪問介護を見る方法|検索・比較の手順と確認事項

Published
作成日: 2026年7月7日
Updated
最終更新日: 2026年7月8日

介護サービス情報公表システムで訪問介護事業所を検索・比較する手順をやさしく解説。基本情報・運営情報・概算料金試算の見方や、事業所・ケアマネジャーに確認すべきポイントまで整理します。

01介護サービス情報公表システムとは何か

「介護サービス情報公表システム」(kaigokensaku.mhlw.go.jp)は、介護保険法第115条の35〜44などにもとづき、都道府県が運営する介護サービスの情報公表制度を、厚生労働省がインターネットシステムとして提供しているものです。全国の介護サービス事業所(訪問介護を含む)の情報を、誰でも無料で検索・閲覧できます。

この制度は平成18年4月から始まったもので、趣旨は「利用者が介護サービスや事業所・施設を比較・検討し、自分に合ったところを選べるように、都道府県が情報を提供する」ことにあります。訪問介護をはじめとする居宅サービスの事業所は、法令にもとづき都道府県へ自らのサービス情報を報告する義務があり、その報告内容が都道府県による審査を経てこのシステムに公開される、という仕組みです。

在宅で訪問介護を検討し始めたとき、まず耳にするのは地域の評判や、ケアマネジャーからの紹介かもしれません。ですが「そもそもどんな事業所が近くにあるのか」「どんな体制で運営されているのか」を、行政の制度に基づいた客観的な情報源から確認したい、という場面もあるはずです。介護サービス情報公表システムは、まさにそのために作られた公的な窓口です。

なお、システムのトップページは都道府県ごとにページが分かれている構造になっています。利用者は、自分が住んでいる(または介護を受ける本人が住んでいる)都道府県を選んでアクセスする流れになるため、まずは「どの都道府県のサイトを見ればよいか」を意識しておくとスムーズです。次章以降で、実際にどう使うか、何が確認できるかを順に見ていきます。

事業者側が公表内容をどう整備・発信するかは、訪問介護のサービス品質を伝える情報整理(事業者向け)で解説しています。

02なぜ公表情報を見る必要があるのか(事業所探しでの位置づけ)

訪問介護の事業所を探すとき、パンフレットや事業所のウェブサイト、営業担当者からの説明だけで決めてしまうと、あとから「聞いていた内容と違った」という食い違いが起きることがあります。介護サービス情報公表システムは、都道府県への報告にもとづく情報が載っているため、事業所が任意に発信している広報情報とは異なる、制度上の客観的な情報源として使える点に価値があります。

とはいえ、このシステムだけで事業所選びが完結するわけではありません。公表される基本情報・運営情報は、あくまで事業所からの報告内容にもとづくものであり、報告の頻度や更新のタイミングは都道府県により異なります。また、直近の空き状況や、実際に訪問してくれるヘルパーとの相性、口コミでよく聞かれるような「対応の丁寧さ」までは、この制度だけでは分かりません。事業所ごとの個別の評価や、現時点で新規利用者を受け入れられるかどうかは、必ず事業所へ直接確認する必要があります。

そのため、実務的には「公表システムで候補の事業所の基本的な体制(人員配置・サービス内容・運営姿勢)を確認し、そのうえで事業所へ直接問い合わせる、あるいはケアマネジャーに相談する」という二段構えで使うのが現実的です。介護ほうもんさーちのような検索サイトでは、地域や条件から事業所の候補を探したり、事業所詳細ページで特色を確認したりできますが、これも「候補を見つけて比較検討の土台を作る」ためのものです。最終的な判断材料としては、公表システムの制度情報と、事業所・ケアマネジャーへの直接確認を組み合わせることが欠かせません。

03訪問介護事業所を検索する手順

実際の検索の流れを見ていきましょう。介護サービス情報公表システムのトップページ(https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)にアクセスすると、都道府県を選択する画面が表示されます。自分(または介護を受ける本人)が住んでいる都道府県を選んでください。

都道府県のページに進んだら、地域(市区町村など)とサービスの種類を指定して検索します。訪問介護を探す場合は、サービス種類の一覧から「訪問介護」を選択し、必要に応じて地域を絞り込みます。検索結果一覧では、次のような項目が表示されます。

  • 事業所名称
  • 調査の実施状況(実地調査が行われているかどうかなど)
  • サービス内容を示すアイコン
  • 営業時間(平日・土日祝の別)

一覧から気になる事業所を見つけたら、「詳細情報を見る」のリンクから事業所の概要ページに進むと、基本情報・運営情報がまとまって確認できます。また、検索結果は公表日・事業所番号・事業所名称・調査実施状況などの軸で並び替えができ、住所を入力した場合は自宅からの距離順に並び替えることもできます。件数が多い地域では、この並び替え機能を活用すると効率よく候補を見つけられます。表示される並び替え項目は施設・住まい系のサービスも含めた共通の選択肢のため、訪問介護では該当しない項目が表示されることもあります。実際にどの項目が使えるかは、検索した時点の画面で確認してください。

はじめて操作する場合は、都道府県・サービス種類・地域のどれか一つを間違えると検索結果が0件になったり、想定と違う一覧が表示されたりすることがあります。まずは広めの地域(市区町村単位)で「訪問介護」だけを条件に検索し、結果を見ながら地域を絞り込んでいくのがおすすめです。介護を受ける本人の自宅と、検索している都道府県・市区町村が一致しているかも、あわせて確認しておきましょう。遠方に住む家族が代わりに検索する場合は特に間違えやすいポイントです。

介護サービス情報公表システムで都道府県を選ぶ、訪問介護事業所を検索する、基本情報・運営情報を確認する、複数事業所を比較するという4ステップの流れ図

04事業所詳細ページで確認できる基本情報

事業所の詳細ページに進むと、まず目に入るのが「基本情報」です。基本情報には、事業所の名称、所在地、連絡先、職員の配置状況、サービス従業者数といった項目が含まれます。訪問介護の場合は、利用者ごとの訪問計画の作成やヘルパーの調整を担う「サービス提供責任者」の配置状況も、確認できる項目のひとつです。

これらの基本情報は、事業所からの報告にもとづいて更新される仕組みになっています。報告や公表の更新頻度・実施時期は都道府県により異なるため、常に「今この瞬間」の状態を反映しているとは限らず、直近の報告時点のスナップショットである、という点は理解しておく必要があります。職員の異動や増員があっても、次の報告・更新のタイミングまで反映されないことがある、ということです。

事業所探しの実務では、この基本情報を「候補を絞り込むための一次情報」として使うのがよいでしょう。たとえば「サービス提供責任者が複数名配置されているか」「訪問介護員の人数はどの程度か」といった体制面を、複数の候補事業所で横並びに比較する材料になります。一方で、現時点で新規の利用者を受け入れられるか、希望する曜日・時間帯に対応できるかどうかは、基本情報だけでは分かりません。これは必ず事業所へ直接電話やメールで問い合わせて確認してください。「〇月から週2回、身体介護でお願いしたいのですが、対応可能な曜日・時間帯はありますか」といった具体的な聞き方をすると、事業所側も答えやすくなります。

05運営情報で確認できること

基本情報とあわせて公表されるのが「運営情報」です。運営情報には、提供しているサービスの内容、利用者本位のサービス提供に向けた取り組み、従業者への教育・研修の実施状況といった項目が含まれます。事業所がどのような方針でサービスを提供しているか、体制づくりにどれだけ力を入れているかを知る手がかりになります。

また、都道府県(または指定調査機関)による実地調査が行われる場合があることも、この制度の特徴です。調査の有無や実施時期は都道府県によって異なりますが、実地調査を経た情報は、事業所の自己申告だけでなく第三者の確認が加わっている点で、一定の裏づけになります。ただし、調査が行われていない、あるいは調査結果の詳細まで細かく公開されていない場合もあるため、「調査済みかどうか」の表示は確認しつつ、それだけで事業所の良し悪しを断定しないようにしましょう。

運営情報を見るときに合わせて意識したいのが、「そもそも訪問介護で何を頼めるのか」という制度の枠組みです。訪問介護のサービス内容は、老計第10号(訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について)にもとづき、身体介護と生活援助に区分されています。運営情報には「どんなサービスを提供しているか」の大枠は載っていますが、「自分の家庭の状況で、具体的にどこまで頼めるか」までは書かれていません。この点は、運営情報を参考にしつつも、最終的には事業所やケアマネジャーに個別に確認する必要がある、という前提で読むことをおすすめします。

06概算料金の試算機能の使い方と注意点

介護サービス情報公表システムには、「介護サービス概算料金の試算」という機能も用意されています。分類(自宅に住んでいるか、施設に入居しているか)、要介護度、利用したいサービスの内容、利用回数などを入力すると、1か月あたりのおおよその費用が試算表示される仕組みです。

これは「訪問介護を使うと月にどのくらいの費用感になるのか」を事前にイメージするうえで便利な機能ですが、システム側の説明によれば、試算される金額は全国の利用実績の平均値を用いた概算であり、実際に請求される自己負担額とは異なる場合があります。地域ごとの単価の違い(地域区分)や、事業所によるサービス内容の違いによっても実際の費用は変わります。また、試算されるのは介護保険が適用される部分が中心で、食費や居住費など保険適用外の費用は別途必要になる点にも注意してください。

本記事では、具体的な単位数や自己負担額そのものには触れません。制度上の仕組みや金額は介護報酬改定のたびに見直される可能性があり、断定的な数字を書くと古い情報のまま独り歩きするリスクがあるためです。試算機能で大まかなイメージをつかんだら、実際の見積もりや自己負担額については、候補の事業所または担当のケアマネジャーに「このケアプランだと月あたりの自己負担はどのくらいになりそうか」と具体的に確認することをおすすめします。最新の制度内容は、事業所・ケアマネジャー・市区町村の窓口で必ず確認してください。

07総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の訪問型サービスとの違い

ここまで説明してきた検索・比較の考え方は、要介護1〜5の方が利用する「訪問介護」を主に想定したものです。一方で、要支援1・2の方などが利用する「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の訪問型サービスは、制度の枠組みが異なります。

総合事業は市町村が中心となり、地域の実情に応じて多様な主体が参画する形でサービスを提供する仕組みです。厚生労働省も総合事業について「市町村が中心となり、地域の実情に応じて、住民等の多様な主体が参画し、多様なサービスを充実することで、要支援者等に対する効果的・効率的な支援を可能にすることを目指す」と説明しており、地域ごとに内容が組み立てられる事業であることがうかがえます。介護サービス情報公表システムは全国一律の検索の枠組みを提供していますが、総合事業の訪問型サービスの具体的な内容・基準・料金については、この仕組みでの検索・比較がそのまま当てはまるとは限らない点に注意が必要です。

要支援の認定を受けている方、またはこれから申請を考えている方が訪問型のサービスを探す場合は、公表システムで一般的な事業所情報を確認しつつも、自分の住んでいる市区町村でどのようなサービスが、どのような基準で提供されているかを、地域包括支援センターまたは市区町村の介護保険担当窓口に必ず確認してください。「要介護認定の訪問介護」と「総合事業の訪問型サービス」は名称が似ていて混同されやすいため、どちらの制度に該当するのかを最初に確認しておくと、その後の事業所探しがスムーズになります。

窓口に相談する際は、「要支援1(または要支援2)の認定を受けているが、訪問介護に相当するサービスは自分の住む市区町村ではどのような形で提供されているか」「対応している事業所はどこか、公表システムで検索した内容と一致するか」という聞き方をすると、地域の実情に即した回答が得られやすくなります。要介護認定の区分が変わる(更新で要支援から要介護になる、あるいはその逆になる)タイミングでも、利用できるサービスの枠組みが変わることがあるため、認定更新の前後は特にこの点を確認しておくと安心です。

08地域包括支援センターなどの相談窓口もあわせて確認しておく

介護サービス情報公表システムでは、訪問介護をはじめとする介護サービス事業所の検索とあわせて、地域包括支援センターや生活支援等サービス、認知症に関する相談窓口といった「生活関連情報」についての説明ページも用意されています。掲載されているのは制度や窓口の役割の説明が中心で、事業所検索のような一覧検索の機能とは異なる点に留意してください。実際にお住まいの地域を担当する地域包括支援センターの所在地・連絡先を調べたい場合は、市区町村の公式サイトや窓口へ確認するのが確実です。

訪問介護の利用を検討している段階では、事業所探しと並行して「困ったときにどこに相談すればよいか」という相談先を把握しておくことも大切です。地域包括支援センターは、高齢者やその家族からの介護に関するさまざまな相談を受け付ける総合的な窓口であり、要支援の認定に関する相談や、総合事業のサービス内容の案内なども行っています。訪問介護の事業所選びで迷ったときや、契約後にトラブルが生じたときの相談先としても機能します。

すでにケアマネジャーが決まっている場合は、まずケアマネジャーに相談するのが基本ですが、まだケアプランを作成する段階に至っていない方や、総合事業の対象になりそうな方は、お住まいの市区町村の窓口や地域包括支援センターに早めに連絡しておくと安心です。特に、まだ要介護認定を申請していない、あるいは認定申請の相談先すら分からないという段階の方にとっては、地域包括支援センターが最初の相談先になることが多くあります。訪問介護事業所の候補探しと、相談窓口の把握を並行して進めておくと、いざというときにも慌てず動きやすくなります。

09公表情報を事業所探しにどう活かすか(まとめ・次のアクション)

ここまで見てきたように、介護サービス情報公表システムは、都道府県への報告にもとづく客観的な情報を、無料で誰でも確認できる公的な仕組みです。事業所の基本情報・運営情報を横並びで比較し、候補を絞り込むための「たたき台」として活用できます。

一方で、このシステムだけで事業所選びが完結するわけではありません。直近の空き状況、実際の対応の丁寧さ、希望する曜日・時間帯への柔軟な対応可否などは、公表情報からは分かりません。公表システムで気になる事業所を数件に絞り込んだら、次のステップとして、事業所へ直接問い合わせるか、ケアマネジャー・地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

介護ほうもんさーちでは、地域や条件から訪問介護事業所を検索したり、事業所詳細ページで特色を確認したりできます。介護サービス情報公表システムで得られる制度上の一次情報と、当サイトのような検索の入口をあわせて使うことで、比較検討の材料をより厚くすることができます。最終的な費用感や対応可否、契約条件については、必ず候補の事業所・担当のケアマネジャー・市区町村の窓口で最新情報を確認したうえで判断してください。

進め方の目安としては、(1) 介護サービス情報公表システムで地域の訪問介護事業所を検索し、基本情報・運営情報で候補を2〜3件に絞り込む、(2) 候補の事業所へ電話やメールで問い合わせ、希望する曜日・時間帯への対応可否や、おおよその費用感を確認する、(3) ケアマネジャーがいる場合はケアプランとの整合性を相談し、いない場合は地域包括支援センターに紹介を依頼する、という順序で進めると迷いにくくなります。制度や事業所の状況は年々変わるため、公表システムの情報も「参考にする一次情報のひとつ」として扱い、契約前には必ず重要事項説明書や最新の説明を事業所から受けるようにしてください。

FAQ

このガイドのよくある質問

はい、厚生労働省の制度にもとづき都道府県が運営する公的なシステムで、会員登録などをせずに誰でも無料で検索・閲覧できます。全国の訪問介護事業所について、都道府県ごとのページから地域やサービス種類を指定して検索し、事業所の基本情報・運営情報を確認できます。
分かりません。公表される基本情報・運営情報は事業所からの報告にもとづくもので、職員体制・サービス内容・研修状況などが中心です。直近の空き状況や利用者からの評判、対応の丁寧さなどは掲載されないため、これらは事業所への直接の問い合わせやケアマネジャーへの相談で確認する必要があります。
介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の訪問型サービスは、市区町村ごとに内容や基準が異なる仕組みのため、本システムでの検索・比較がそのまま当てはまるとは限りません。要支援の認定を受けている方は、公表システムの情報を参考にしつつ、実際に利用できるサービスの内容は地域包括支援センターや市区町村の窓口に必ず確認してください。
同じとは限りません。試算機能は要介護度やサービス内容・利用回数を入力して1か月あたりのおおよその費用感をつかむための目安で、全国の利用実績の平均値をもとにした概算です。地域ごとの単価の違いや、保険適用外の費用(食費・居住費等)が別途かかることもあり、実際の自己負担額は変動します。具体的な金額は候補の事業所やケアマネジャーに直接確認することをおすすめします。
基本情報・運営情報は、事業所が都道府県へ行う報告にもとづいて更新される仕組みです。報告や公表の更新頻度、実地調査の実施時期は都道府県により異なり、常に最新の状態を反映しているとは限りません。職員体制の直近の変化や新規受け入れの可否など、今の状況を知りたい場合は事業所へ直接問い合わせてください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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