メインコンテンツにスキップ
介護ほうもんさーち
訪問介護を知る

訪問介護で受けられる医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養)

Published
作成日: 2026年7月1日
Updated
最終更新日: 2026年7月1日

訪問介護でも研修を受けたヘルパーが喀痰吸引・経管栄養を行える場合があります。対象行為・条件・訪問看護との違いを解説します。

01訪問介護のヘルパーは医療的ケアをしてもよいのか

原則として、たんの吸引や経管栄養などの医行為は、医師や看護師でなければ行えません。しかし平成24年度から始まった制度により、一定の研修を修了し、都道府県の認定を受けた介護職員(ヘルパーを含む)に限り、医師の指示のもとで一部の医療的ケアを実施できるようになりました。

これは訪問介護のヘルパー全員ができるわけではなく、「研修を修了した特定の職員」が「都道府県の登録を受けた事業所」に所属している場合に限られる、例外的な仕組みです。訪問介護でそもそもどこまでの支援を頼めるのかを踏まえたうえで、訪問介護事業所を探す際は、その事業所が医療的ケアに対応しているかどうかを個別に確認する必要があります。

02介護職員が行える医療的ケアの範囲

研修を修了した介護職員が実施できる行為は、法令上「喀痰吸引等」として次のように定められています。

区分対象行為
喀痰吸引口腔内・鼻腔内の吸引、気管カニューレ内部の吸引
経管栄養胃ろう・腸ろうによる経管栄養、経鼻経管栄養

これ以外の医行為(インスリン注射、点滴管理、褥瘡の処置など)は、研修を修了していても介護職員が行うことはできません。こうした訪問介護で対応できない行為も含め、実施できる範囲は事業所・職員の研修修了状況によって異なるため、「何ができて、何ができないか」は事業所への確認が必須です。

03実施できる職員の条件(研修の種類)

介護職員がたんの吸引等を行うには、「喀痰吸引等研修」を修了し、都道府県から認定特定行為業務従事者認定証の交付を受けることが必要です。研修は対象者によって区分されています。

研修区分対象実施可能な行為
第1号研修不特定多数の利用者喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)+経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)すべて
第2号研修不特定多数の利用者喀痰吸引(口腔内・鼻腔内)+経管栄養(胃ろう・腸ろう)
第3号研修特定の利用者(ALS、重度障害等、在宅の重度療養者が中心)喀痰吸引・経管栄養のうち、その利用者に必要な行為

なお、介護福祉士資格を持つ職員は実務者研修で基本研修に相当する内容を学んでいるため、実地研修のみで足りる場合があります。ただし実地研修を修了し登録しない限り実施はできません。

04事業所側にも「登録」が必要

職員個人が研修を修了しているだけでは、訪問介護事業所として医療的ケアを提供することはできません。事業所自体が、所在地の都道府県に「登録特定行為事業者(登録喀痰吸引等事業者)」として登録を受けている必要があります。

登録にあたっては、医師・看護職員との連携体制の確保、安全確保のための措置(マニュアル整備、ヒヤリハット報告体制など)、緊急時対応の取り決めなどが求められます。事業所を探すときは「医療的ケア対応」を掲げているか、登録特定行為事業者であるかを確認するとよいでしょう。事業所検索や重要事項説明書での確認が確実です。

05実施の条件 - 医師・看護職員との連携が前提

研修を修了した介護職員が医療的ケアを行う場合も、単独で判断して実施することはできません。次のような連携体制が制度上求められています。

  • 医師の文書による指示があること
  • 看護職員(訪問看護師等)が定期的に利用者の状態を確認し、介護職員と情報共有を行うこと
  • 利用者ごとの個別具体的な状況を踏まえ、医師・看護職員と連携した計画のもとで実施すること
  • 急変時など、看護職員や医師に速やかに連絡できる体制があること

このため、医療的ケアが必要な方が訪問介護を利用する場合は、多くのケースで訪問看護と訪問介護を併用し、看護職員と介護職員が役割分担しながら支援する形になります。

06訪問看護との違い・役割分担

訪問介護と訪問看護は、医療的ケアへの関わり方が根本的に異なります。

訪問介護(ヘルパー)訪問看護(看護師)
実施できる医療行為研修修了・登録要件を満たした場合の喀痰吸引等のみ
主な役割日常生活の介助(身体介護・生活援助)
利用できる保険原則介護保険(要介護1以上)

医療的ケアが必要な方は、訪問看護が医療面を、訪問介護が身体介護や生活援助といった生活面(食事・排せつ・移動などの介助)を担う併用体制になることが一般的です。定期受診が必要な場合は、ヘルパーが運転する車で通院先まで送迎してもらう通院等乗降介助を組み合わせるケースもあります。ケアプラン作成時に、ケアマネジャーが両サービスの役割分担を調整します。

訪問介護(ヘルパー)と訪問看護(看護師)の役割分担を対比する図

07事業所を探すときに確認したいこと

医療的ケアが必要な方が訪問介護事業所を選ぶ際は、次の点を確認しましょう。

  • 医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養)に対応しているか(登録特定行為事業者であるか)
  • 対応できる具体的な行為の範囲(口腔内吸引のみか、気管カニューレ内部まで対応可能かなど)
  • 訪問看護など医療職との連携体制が整っているか(同一法人内の訪問看護ステーションと連携しているケースも多い)
  • 緊急時の対応体制(夜間・急変時の連絡先や対応フロー)

これらは重要事項説明書や事業所への直接の問い合わせで確認できます。事業所ごとに対応できる範囲が異なるため、複数の事業所を比較検討することをおすすめします。介護ほうもんさーちの事業所検索では、対応サービスの情報をもとに候補を絞り込めます。医療的ケアへの対応状況に不安がある場合は、AIコンシェルジュで整理のうえ、気になる事業所へ直接ご確認ください。

FAQ

このガイドのよくある質問

できません。喀痰吸引等研修を修了し都道府県の認定を受けた特定の職員が、かつ事業所自体が登録特定行為事業者として登録している場合に限られます。事業所ごとに対応可否が異なるため、個別の確認が必要です。
頼めません。研修を修了した介護職員が行えるのは、栄養剤の注入など日常的な経管栄養の実施に限られます。チューブの挿入・交換などの医行為は医師・看護師が行うものです。
多くの場合、訪問看護との併用が前提になります。訪問看護が医療面(病状観察・医療処置)を担い、訪問介護が生活面(食事・排せつ・移動などの介助)を担う役割分担が一般的です。ケアプランでケアマネジャーが調整します。
実務者研修で基本研修に相当する内容を学んでいるため、実地研修のみで足りる場合がありますが、実地研修を修了し登録を受けない限り実施はできません。資格だけで自動的に実施可能になるわけではない点に注意してください。
事業所の重要事項説明書や運営規程、または事業所への直接の問い合わせで確認できます。登録特定行為事業者であるか、対応できる行為の範囲、医療職との連携体制を事前に確認しておくと安心です。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

Related

あわせて読みたいガイド

FREE CONDITION CHECK

ガイドの内容をもとに、確認事項を整理できます

AIコンシェルジュは準備中です。 公開までは、検索での絞り込みと、各事業所ページからの問い合わせをご利用ください。

事業所を探す気になる事業所へ直接問い合わせ