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通院等乗降介助とは

Published
作成日: 2026年7月1日
Updated
最終更新日: 2026年7月1日

通院等乗降介助はヘルパーが運転する車で通院を送迎する訪問介護サービスです。対象者や内容、通院介助(身体介護)との違いを解説します。

01通院等乗降介助とは

通院等乗降介助とは、訪問介護の3類型(身体介護・生活援助・通院等乗降介助)のひとつで、ヘルパー自身が運転する車両で通院先まで送迎し、乗り降りの介助や移動の介助を行うサービスです。

厚生労働省の資料では「要介護者である利用者に対して、通院等のため、指定訪問介護事業所の訪問介護員等が、自らの運転する車両への乗車又は降車の介助を行うとともに、併せて、乗車前若しくは降車後の屋内外における移動等の介助又は通院先若しくは外出先での受診等の手続、移動等の介助を行うサービス」と定義されています。

ポイントは、単なる送迎(運転)だけでは対象にならないことです。乗車前・降車後の移動介助、または通院先での受診手続きの介助のどちらかが必ずセットになっている必要があり、訪問介護のヘルパーに頼めること・頼めないことの境界線とあわせて理解しておくと安心です。

02サービス内容と一連の流れ

通院等乗降介助は、自宅から病院まで(往路)と、病院から自宅まで(復路)をそれぞれ1回のサービスとして考えます。基本的な流れは次のとおりです。

場面内容
出発前玄関までの移動介助、着替えなど外出準備の介助
乗車時車への乗車介助
移動中ヘルパーが自ら車両を運転(運転時間そのものは介助行為ではない)
到着後降車介助、院内入口までの移動介助、受診の手続き
帰宅時同様に乗車・降車・移動の介助を行う

タクシー運賃(移送に係る経費)は介護保険の対象外で、利用者の実費負担です。この点は多くの方が誤解しやすいポイントなので、事業所への確認時に併せて聞いておくと安心です。

通院等乗降介助の流れ(出発準備、乗車介助、車両移動、降車・院内移動の介助、受診手続きの介助)を示すステップ図

03誰が使えるサービスか(対象者)

通院等乗降介助を利用できるのは、次のいずれも満たす方です。

  • 要介護1〜5の認定を受けていること(要支援1・2の方は対象外)
  • ケアマネジャーが作成する居宅サービス計画(ケアプラン)に、通院等乗降介助の必要性が位置づけられていること

要支援の方が通院・外出の付き添いを希望する場合は、通院等乗降介助としては算定できません。市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の訪問型サービス(移動支援を含むサービス類型など)といった別の形での対応になるため、要支援・要介護の判定に迷いがある場合はケアマネジャーに相談してください。

04通院介助(身体介護)との違い

「通院介助」という言葉は、介護保険上では2つの異なるサービス区分を指すことがあり、混同されやすいポイントです。

区分車両の運転主な算定単位想定される場面
通院等乗降介助ヘルパーが自ら運転乗降・移動介助が中心(片道ごと)乗降介助が中心で、身体介護の手間があまりかからない場合
通院介助(身体介護中心型)公共交通機関を利用、またはヘルパーが同乗所要時間に応じた身体介護の単位乗車前後の介助に相当の時間(目安20〜30分程度以上)を要し、手間がかかる身体介護が中心の場合

実務上は、要介護4・5の方など、着替えや移乗に時間がかかる場合は「身体介護中心型」として算定されるケースが多いとされています。どちらで算定するかは利用者の状態に基づき、アセスメントとケアプランに沿って事業所・ケアマネジャーが判断します。

05病院に着いた後の『院内介助』はどう扱われる?

通院先に到着したあとの院内での移動介助(受付から診察室への移動、会計の付き添いなど)は、原則として病院のスタッフが対応すべきものとされています。ヘルパーが院内介助を行った場合も、通院等乗降介助を中心に算定するケースでは、その分が別立てで加算されることはなく、乗降介助の中に含めて評価される扱いです。

ただし、病院側の対応が難しく、ケアマネジャーがケアプランに必要性を明記した場合は例外的に院内介助が認められることがあります。自治体の解釈通知では、次のようなケースが例として挙げられています。

  • 重度の認知症で、目を離すと徘徊のおそれがある場合
  • 総合病院で複数の診療科を受診し、科をまたぐ移動介助が必要な場合
  • 排泄介助など、利用者の状態から常時の見守り・介助が必要と判断される場合

該当しそうな場合は、担当のケアマネジャーやサービス提供責任者に事前に相談し、ケアプランへの位置づけを確認しておきましょう。

06介護タクシーとの違い

「介護タクシー」も車両で通院を送迎するサービスですが、通院等乗降介助(訪問介護)とは事業の枠組みが異なります。

  • 通院等乗降介助:訪問介護事業所が提供する介護保険サービスの一区分。事業者は都道府県等の指定に加え、地方運輸局の旅客自動車運送事業の許可・登録が必要。
  • 介護タクシー:福祉輸送を行うタクシー事業者が、介護職員初任者研修修了者等の資格を持つ運転者により乗降介助等を行うサービス。介護保険を使う場合と、全額自費(介護保険を使わない)で利用する場合がある。

どちらも「乗降介助+輸送」という点は共通していますが、契約する事業所の種類や、ケアプランへの位置づけ方が異なります。迷ったときはケアマネジャーに相談し、どちらの枠組みで利用するのが適切か確認するとよいでしょう。

07利用にあたって確認しておきたいこと

通院等乗降介助を安心して利用するために、契約前に次の点を確認しておきましょう。

  • [ ] ケアプランに通院等乗降介助が位置づけられているか(ケアマネジャーに確認)
  • [ ] 車両への乗降に必要な介助(車椅子対応など)に事業所が対応できるか
  • [ ] タクシー運賃(移送費)の負担額と支払い方法
  • [ ] 定期通院(透析・リハビリなど)の曜日・時間帯に対応可能か
  • [ ] 院内介助が必要になりそうな場合、その可否と手続き
  • [ ] 移動中や待ち時間に喀痰吸引・経管栄養などの医療的ケアが必要な場合、対応できるヘルパーがいるか(訪問介護で受けられる医療的ケアも参考に確認しておくと安心です)

事業所によって対応できる車両の台数や対応エリア、院内介助への柔軟さは異なります。「介護ほうもんさーち」の検索では、通院等乗降介助に対応する事業所を地域から絞り込めます。具体的な対応可否や重要事項説明書の内容は、気になる事業所へ直接お問い合わせください。条件の整理にはAIコンシェルジュも使えます。

FAQ

このガイドのよくある質問

利用できません。通院等乗降介助を算定できるのは要介護1〜5の認定を受けている方に限られます。要支援の方で通院・外出の付き添いが必要な場合は、市町村が実施する介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)の訪問型サービスでの対応や、要介護認定区分変更の相談など、別の対応を検討することになります。まずはケアマネジャーに相談してください。
診察までの待ち時間は、原則としてサービス提供時間に含まれません。ただし、重度の認知症で見守りが必要な場合など、利用者の状態から常時の付き添いが必要と判断され、ケアプランに位置づけられている場合は、例外的に院内介助として対応されることがあります。事前にケアマネジャー・事業所に確認しておきましょう。
どちらも車両での送迎と乗降介助を伴いますが、契約する事業所の枠組みが異なります。訪問介護のケアプランに位置づけて利用したい場合は通院等乗降介助、介護保険を使わず単発で利用したい場合は介護タクシー(自費)が選択肢になります。ケアマネジャーに相談し、頻度や予算に応じて適切な方を選ぶとよいでしょう。
できません。通院等乗降介助は、乗車・降車の介助に加えて、乗車前後の移動介助または通院先での受診手続きの介助のいずれかが伴うことが要件です。介助を伴わない単なる送迎は、このサービスの対象にはなりません。
まかなえません。通院等乗降介助として算定されるのは乗降・移動の介助にかかる部分のみで、車両の運賃(移送に係る経費)は介護保険の対象外です。利用者の実費負担となるため、事前に事業所へ運賃の目安を確認しておくと安心です。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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