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訪問介護で頼めないこと一覧

Published
作成日: 2026年7月1日
Updated
最終更新日: 2026年7月1日

訪問介護のヘルパーに頼めないことを、生活援助・身体介護・医療行為の区分ごとに一覧で解説します。頼める内容との境界線と、対応してもらえない場合の相談先も紹介します。

01訪問介護は「できないこと」を知っておくと使いやすくなる

訪問介護(ホームヘルパー)は介護保険の「身体介護」と「生活援助」を中心にサービスを提供しますが、何でも頼めるわけではありません。介護保険は利用者本人の日常生活を支えるための制度であり、本人以外のための家事・日常生活に必須ではない行為・医療行為は、原則として保険給付の対象外です。

この線引きを知らないまま依頼すると、「思っていたサービスを受けられなかった」「ケアマネに相談すれば良かった」という行き違いが起こりがちです。逆に、できないことを最初から把握しておけば、ヘルパーに頼む範囲と、家族や自費サービス・他の制度で補う範囲を切り分けて計画できます。

頼める内容の全体像は親記事「訪問介護とは?できること・できないこと一覧」を、生活援助・身体介護それぞれの詳しい範囲は「生活援助とは?」「身体介護とは?」を参照してください。本記事では「できないこと」だけに絞って具体的に整理します。

訪問介護で頼めないことの3分類(本人以外のための家事、日常生活の援助を超える行為、医師・看護師の資格が必要な医行為)を示す図

02生活援助で頼めないこと一覧

生活援助(掃除・洗濯・調理・買い物など)は、厚生労働省の通知(訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について)で対象外となる行為が明確に示されています。「訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じない行為」「日常的に行われる家事の範囲を超える行為」が原則対象外です。

区分頼めない行為の例
直接本人の援助に該当しない行為利用者以外の同居家族のための調理・洗濯・掃除、来客対応、自家用車の洗車・清掃
日常生活に不可欠でない行為草むしり、花木の水やり、ペットの世話・散歩
日常的な家事の範囲を超える行為大掃除、窓ガラス磨き、床のワックスがけ、家具・電気器具の移動や修繕、模様替え、ペンキ塗り、庭木の剪定、正月・節句など特別な手間をかける調理

これらはあくまで介護保険サービスとして頼めないという意味で、必要であれば自費サービス(保険外サービス)として事業所や別業者に依頼できる場合があります。可否は事業所に確認してください。

03同居家族がいる場合はさらに制限される

生活援助は「利用者が一人暮らし」または「同居家族が障害・疾病などのやむを得ない事情で家事を行えない」場合に限り算定できるのが原則です(厚生労働省通知「同居家族等がいる場合における訪問介護サービス等の生活援助の取扱いについて」)。

同居家族がいて、その家族が家事を行える状態にある場合は、利用者本人の分だけを対象にした生活援助であっても、原則として保険給付の対象になりません。「本人の部屋だけ掃除してほしい」「本人の食事だけ作ってほしい」という依頼でも、同居家族の状況によっては認められないことがあります。

この判断はケアプランを作成するケアマネジャーが利用者の状況(同居家族の年齢・就労状況・傷病の有無など)を踏まえて行います。同居家族がいて生活援助を希望する場合は、まずケアマネジャーに事情を相談してください。

04身体介護で頼めないこと(医療行為との境界)

身体介護は食事・排泄・入浴などの介助を行いますが、医師・看護師などの資格がなければ行えない「医行為」は訪問介護員が行うことはできません。医師法第17条により、医業は医師でなければ行えないと定められています。

一方で、厚生労働省は「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」の通知やガイドラインで、体温測定・血圧測定・軽微な傷の処置・爪切り(爪に異常のない場合)・口腔ケアの一部・市販の浣腸の使用補助などを「原則として医行為ではない行為」として整理し、一定の条件下で介護職員が行えることを明確にしています。この整理により行える範囲が広がった一方、インスリン注射・点滴の管理・褥瘡(床ずれ)の処置・服薬量の調整など専門的な医学的判断を要する行為は、訪問介護員には行えません。

頼めるかどうか迷う医療的なケアがある場合は、事業所またはケアマネジャーに個別に確認するのが確実です。

05例外的にできる医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養)

社会福祉士及び介護福祉士法の改正により、一定の研修を修了し、都道府県に認定された介護職員等は、医師の指示のもとで喀痰吸引(口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部)と経管栄養の一部を行えるようになっています。ただしこれは全ての訪問介護員が行えるわけではなく、認定を受けた職員が在籍する事業所でのみ対応可能です。

必要な医療的ケアがある場合は、対応可能な事業所かどうかを事前に確認する必要があります。詳しくは「訪問介護で受けられる医療的ケア(喀痰吸引・経管栄養)」で解説しています。

06通院の送迎・付き添いにも条件がある

「病院に連れて行ってほしい」という依頼は多いものの、訪問介護で対応できるのは「通院等乗降介助」という決められた枠組みの範囲内です。要介護認定を受けた利用者が対象で、要支援の方は原則対象外です。また、病院内での待ち時間の付き添いや院内介助は、病院側の対応や利用者の状態によって訪問介護でカバーできる範囲が変わります。

単なる「タクシー代わりの送迎」や、通院を伴わない外出(買い物や趣味の外出など)の付き添いは、通院等乗降介助の対象にはなりません。詳しい要件は「通院等乗降介助とは」を参照してください。

07「できないこと」に当たったらどうすればいいか

ヘルパーに頼めない行為があるとわかったときは、次のような選択肢を検討します。

  • ケアマネジャーに相談する: 生活援助の同居家族要件など、判断に個別事情が絡む場合はケアマネジャー経由での確認が確実です。
  • 自費サービス(保険外サービス)を検討する: 大掃除や庭木の手入れなど、介護保険外のサービスとして事業所や地域の家事代行業者に依頼できる場合があります。
  • 他の制度・サービスを組み合わせる: 訪問看護(医療的ケア)、福祉用具、地域の生活支援サービスなど、目的に応じた制度と組み合わせることで在宅生活を続けやすくなります。

どの事業所が自費サービスに対応しているか、どこまで柔軟に相談に乗ってもらえるかは事業所ごとに差があります。気になる場合は、複数の事業所に条件を確認しながら比較検討することをおすすめします。

08事業所に確認すべきポイントとまとめ

訪問介護で頼めないことは、大きく分けて(1)本人以外のための家事・日常生活に不可欠でない家事、(2)同居家族がいる場合の生活援助制限、(3)医行為に該当する医療的ケアの3つに整理できます。いずれも一律に「絶対不可」ではなく、事業所の対応方針や個別の事情によって相談できる余地があるものもあります。

事業所を探す・相談する際は、以下を確認すると行き違いを防げます。

  • [ ] 希望する内容が介護保険内で対応できるか、自費サービスが必要か
  • [ ] 医療的ケアが必要な場合、認定を受けた職員が在籍しているか
  • [ ] 同居家族がいる場合、生活援助の可否についてケアマネジャーに確認済みか

「これは頼めるのか」を一つずつ確認したい場合は、事業所検索から対応内容を絞り込んで比較するか、AIコンシェルジュ・お問い合わせで相談してみてください。

FAQ

このガイドのよくある質問

絶対ではありません。同居家族が高齢・障害・疾病などのやむを得ない事情で家事を行えない場合は、生活援助を利用できることがあります。判断には個別事情の確認が必要なため、まずケアマネジャーに相談してください。
介護保険の生活援助としては対象外ですが、事業所によっては自費サービス(保険外サービス)として別料金で対応している場合があります。対応の可否は事業所ごとに異なるため、直接確認してください。
爪に異常がない場合の爪切りや、体温測定・血圧測定などは、厚生労働省の通知で「原則として医行為ではない行為」とされており、一定の条件のもとで訪問介護員が対応できます。ただし爪に異常がある場合や医学的な判断を要する場合は対象外です。
インスリン注射などの医行為は訪問介護員には行えません。ただし、喀痰吸引や経管栄養の一部については、法定研修を修了し認定を受けた介護職員が在籍する事業所であれば対応できる場合があります。事業所に認定職員がいるか事前に確認してください。
訪問介護で対応できるのは「通院等乗降介助」という枠組みの範囲内で、要介護認定者が対象です。院内の待ち時間の付き添いや、通院を伴わない外出への付き添いは対象外となることが多いため、詳細は事業所に確認してください。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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