重度訪問介護のもう一つの特徴は、一定の要件を満たせば、病院等に入院・入所している間も特別なコミュニケーション支援等を利用できることです。障害者総合支援法施行規則では、重度訪問介護を受ける障害者が入院または入所をしている病院、診療所、助産所、介護老人保健施設および介護医療院が対象場所として定められています。
ただし、入院・入所中の利用には次のような要件・制限があります。
- 対象となる障害支援区分: 原則として区分6の人が対象です。2024年度の報酬改定により、特別なコミュニケーション支援を必要とする場合に限り区分4・5の人にも対象が拡大されました。
- 入院・入所前からの利用が前提: 入院・入所する前から重度訪問介護を利用しており、本人との意思疎通に習熟したヘルパーが病院等と連携して支援を行う場合に限られます。入院してから新たに重度訪問介護の利用を始めることはできません。
- 利用できる期間の制限: 入院・入所した病院等での利用を開始した日から起算して、原則90日以内に限られます。90日を超えて支援が必要な場合は、コミュニケーション支援等の必要性について市区町村が認めた場合に限り、一定の条件のもとで継続利用が可能です(超過分は算定される単位数の水準が下がります)。
入院中は、医療行為や療養上の世話は病院スタッフが担いますが、重度訪問介護のヘルパーは利用者本人の意思疎通の支援や、本人の状態を熟知した上での見守り等を担当します。日頃からコミュニケーション支援を受けている利用者にとって、入院という環境変化の中でも普段と同じ支援者が付き添う意義は大きい一方、要件を満たさない場合は入院中の利用ができないケースもあるため、入院が決まった時点で早めに相談支援専門員・事業所・病院側の三者で調整しておくことが不可欠です。