認知症のご本人・ご家族が訪問介護を検討するとき、まず整理しておきたいのは「訪問介護は認知症の診断名そのものではなく、要介護認定の区分・状態によって使えるサービスが変わる」という点です。介護保険サービスとしての訪問介護(ホームヘルプ)は、原則として要介護1〜5の認定を受けた方が対象です。認知症の診断を受けていても、要介護認定を受けていなければ通常の訪問介護は利用できません。
一方、要支援1・2の認定を受けている方は、市区町村が運営する「介護予防・日常生活支援総合事業」(総合事業)の訪問型サービスを利用する形になります。総合事業の訪問型サービスは、現行の訪問介護に相当するものに加え、基準を緩和したサービスや住民主体のサービスなど複数の類型があり、内容・基準・利用料は市区町村ごとに独自に設定されているため、全国一律ではありません。要支援の方やそのご家族は「自分の市区町村ではどのようなサービスが受けられるか」を、必ず市区町村の窓口または地域包括支援センターに確認する必要があります。
また、この記事は認知症の方への訪問介護の関わり方について、制度上の位置づけと事業所探しで確認したいポイントを整理するものです。特定の事業所の評価や空き状況、料金を保証・断定するものではありません。実際にどのような支援が受けられるか、費用がどの程度かかるかは、事業所やケアマネジャーへの個別確認が必要です。まずはケアマネジャーがいる場合はケアマネジャーへ、まだ要介護認定を受けていない場合は市区町村の窓口や地域包括支援センターへ相談することから始めるとよいでしょう。

