在宅介護がつらくなる場面の多くは、実は「何をどこまで家族が担い、何を訪問介護にお願いするか」が曖昧なまま日々が進んでしまうことから生まれます。家族が「迷惑をかけたくないから」と抱え込みすぎて疲弊してしまうケースもあれば、逆に「お金を払っているのだから」とすべてを事業所に任せようとして、制度上できないことを求めてしまい、事業所との関係がぎくしゃくしてしまうケースもあります。
訪問介護は、家族の代わりに生活のすべてを引き受けるサービスではありません。老計第10号という厚生労働省の通知に基づき、身体介護・生活援助として提供できる範囲があらかじめ整理されており、また医療に関わる行為には別の線引きがあります。さらに、同居する家族がいるかどうかによって、生活援助の使い方の考え方も変わってきます。
この記事では、「家族が担うこと」と「訪問介護に頼めること」を対立させるのではなく、重なり合いながら支え合う関係として捉える視点をお伝えします。制度の枠組みを理解した上で、ケアマネジャーや事業所と具体的に相談するための材料を持ち帰っていただくことが、この記事のゴールです。なお、個別のご家庭でどこまで依頼できるかは、必ず事業所・ケアマネジャー・市区町村に確認してください。

