訪問介護は介護保険法第8条第2項に基づき、要介護と認定された「本人」の日常生活上の世話を行う制度です。介護保険法施行規則第5条も、訪問介護における家事援助を「居宅要介護者が単身の世帯に属するため又はその同居している家族等の障害、疾病等のため、これらの者が自ら行うことが困難な家事」と定義しています。つまり制度の出発点は、あくまで本人(と、家事が難しい事情を抱える家族)の生活を支えることであり、家族の暮らし全般を代行するサービスではありません。
この前提を踏まえて、厚生省老人保健福祉局老人福祉計画課長通知「老計第10号」(平成12年3月17日)は、生活援助を「身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるもの」と定義し、さらに「生活援助は、本人の代行的なサービスとして位置づけることができ、仮に、介護等を要する状態が解消されたとしたならば、本人が自身で行うことが基本となる行為である」と補足しています。つまり生活援助は「本人ができないことを代わりに行う」制度であり、家族の家事負担を丸ごと軽くするための制度ではない、という考え方が根底にあります。
この線引きは、限られた社会資源(保険財源とヘルパーの人員)を、本当に必要な人に届けるための仕組みでもあります。次節以降で、具体的に何が対象で何が対象外なのか、老計第10号・老振第76号に沿って見ていきます。

