訪問介護における食事準備の支援は、大きく分けると「生活援助」としての調理と、「身体介護」としての食事介助の2つの枠組みに整理されます。この区分の根拠になっているのが、厚生労働省が示す老計第10号(訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について。平成12年3月17日制定、平成30年3月30日付の老振発0330第2号で一部改正)という通知です。
老計第10号では、訪問介護のサービス行為を「身体介護」「生活援助」などに区分し、それぞれに含まれる具体的な行為を例示しています。食事に関して言えば、生活援助の側には「一般的な調理、配下膳」という項目があり、身体介護の側には「食事介助」や「特段の専門的配慮をもって行う調理」という項目があります。
どちらの枠組みで食事準備支援を受けるかは、利用者本人の心身の状態や生活状況をふまえて、ケアマネジャーが作成するケアプラン、そして事業所が作成する訪問介護計画のなかで具体的に位置づけられます。つまり「食事の準備を頼みたい」という希望があっても、それが生活援助の調理として組まれるのか、身体介護の食事介助として組まれるのかは、利用者ごとに異なるということです。
この記事では、老計第10号や関連する国の通知にもとづいて、食事準備支援で頼みやすいこと・頼みにくいことの一般的な傾向を整理します。ただし、老計第10号自体が「示す個々のサービス行為の一連の流れは、あくまで例示であり、実際に利用者にサービスを提供する際には、利用者個々人の身体状況や生活実態等に即した取扱いが求められる」としているとおり、実際にどこまで対応できるかは事業所の体制や地域の運用によっても変わります。最終的には必ず事業所・ケアマネジャーに個別に確認してください。特に、同居家族の有無や就労状況、嚥下(えんげ、飲み込みの機能)の状態などは、区分の判断に影響する要素として事前に伝えておくと、ケアプラン作成や訪問介護計画の相談がスムーズになります。

