結論として、精神疾患があることを理由に訪問介護の利用そのものが妨げられるわけではありません。指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第37号)第9条は、指定訪問介護事業者に対し、正当な理由なく訪問介護の提供を拒んではならないと定めています。正当な理由として想定されているのは、事業所の人員体制上どうしても対応しきれない場合や、利用申込者の居住地が通常の事業実施地域外である場合などであり、「精神疾患がある」ということ自体は正当な理由には当たりません。
ただし、実際にどの制度の訪問サービスを使えるかは、年齢や要介護認定の有無によって次のように分かれます。
- 65歳以上で要介護認定(要介護1〜5)を受けている場合は、介護保険の訪問介護が対象になります
- 40〜64歳の場合は、老化に伴う16種類の特定疾病に該当するときに限り介護保険の対象になり得ます(後述の通り、精神疾患そのものは特定疾病に含まれません)
- 40歳未満の場合や、40〜64歳で特定疾病に該当しない場合は、障害者総合支援法に基づく居宅介護等の対象になり得ます
この記事では、こうした制度の入口の整理と、訪問介護でできること・できないことの基本、服薬や体調の波にまつわる確認ポイント、そして事業所探し・ケアマネジャー相談で実際に何を聞けばよいかまでを扱います。一方で、医療的な治療方針の判断、施設入居の是非、介護職の求人・転職といったテーマはこの記事の範囲外です。医療面の判断は必ず主治医に、施設入居の検討は別途ご相談ください。なお、記事内で扱う制度・要件・費用の考え方は変わることがあるため、実際の適用可否は必ず事業所・ケアマネジャー・市区町村の窓口へ確認してください。

