レスパイト(respite)とは、もともと「一時休止・小休止」を意味する言葉で、介護の場面では「介護をしている家族が、一時的に介護から離れて心身を休めること」を指す言葉として使われています。訪問介護やショートステイというと「本人のためのサービス」というイメージが強いかもしれませんが、実は家族の休息という視点も、制度の中で位置づけられています。
厚生労働省の委託調査研究事業(日本介護支援専門員協会、平成27年3月)では、介護保険制度において「通所系サービスを利用して日中の介護を担う方法、訪問系サービスで身体介護を担う方法、短期入所系サービスでレスパイトケアを提供する方法」があり、これらを通じて介護者の身体的・精神的負担軽減を図っていると整理されています。つまり、訪問介護・通所介護(デイサービス)・短期入所生活介護(ショートステイ)を組み合わせて使うこと自体が、在宅介護を継続するための一つの考え方として想定されているのです。
「レスパイト目的だけでサービスを使ってもいいのだろうか」「本人の状態がそこまで重くないのに頼っていいのだろうか」と迷う方もいらっしゃいますが、家族が無理を重ねて共倒れになってしまっては、本人のケアも続けられなくなります。まずは「休息を組み込むこと自体が、在宅介護を続けるための前向きな選択肢の一つ」という前提を持ったうえで、実際にどう組み合わせるかは事業所やケアマネジャーと具体的に相談していくことが大切です。次の章からは、訪問介護でできること・できないことの区分や、他サービスとの組み合わせ方の考え方を順に見ていきます。

