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買い物・調理支援を頼むときの確認ポイント|訪問介護の生活援助

Published
作成日: 2026年7月7日
Updated
最終更新日: 2026年7月8日

訪問介護の買い物・調理支援が老計第10号でどこまで対象になるか、同居家族がいる場合の考え方、身体介護との違い、要支援の場合の総合事業の扱いを整理し、事業所・ケアマネジャーへ確認すべきポイントをまとめました。

01買い物・調理支援は「生活援助」の代表的なサービス

在宅で介護を受けている方が「買い物に行けない」「食事を作るのがつらい」と感じたとき、訪問介護の「生活援助」というサービスで支援を頼める場合があります。生活援助とは、厚生労働省が定めた老計第10号(老振発0330第2号による改正後のもの)で「身体介護以外の訪問介護であって、掃除、洗濯、調理などの日常生活の援助(そのために必要な一連の行為を含む)であり、利用者が単身、家族が障害・疾病などのため、本人や家族が家事を行うことが困難な場合に行われるものをいう」と定義されている支援です。

つまり生活援助は、誰にでも無条件に提供されるものではなく、(1)利用者が単身世帯である、または(2)同居する家族が障害や疾病などの事情で家事を行うことが本当に難しい、という前提があって初めて利用が検討されるサービスです。買い物や調理は、この生活援助の中でもとくに希望が多い支援のひとつで、老計第10号でも「一般的な調理、配下膳」「買い物・薬の受け取り」という具体的な項目名で明記されています。

事業所探しやケアマネジャーへの相談の場面では、まず「本人が単身かどうか」「同居家族がいる場合、その方が家事を担うのが難しい事情(就労状況・持病・障害の有無など)」を率直に伝えることが最初の一歩になります。この前提条件の有無によって、そもそも生活援助としての買い物・調理支援が使えるかどうかの判断が変わってくるためです。曖昧なまま「とにかく買い物と料理を頼みたい」と伝えるのではなく、なぜ本人や家族だけでは難しいのかを具体的に説明できるよう準備しておくと、ケアマネジャーもケアプランを組み立てやすくなります。

02生活援助として頼める調理・買い物の具体的な範囲

老計第10号は、生活援助の内容として調理・買い物に関する項目を具体的に挙げています。調理については「一般的な調理、配下膳(配膳、後片づけのみ/一般的な調理)」とされており、日常的な食事づくりと、それに伴う配膳・後片付けが対象として整理されています。買い物については「日常品等の買い物(内容の確認、品物・釣り銭の確認を含む)/薬の受け取り」が明記されており、日用品や食材の買い物、処方薬の受け取り代行が想定されている行為です。

ここで大事なのは、老計第10号が生活援助を「本人の代行的なサービス」と位置づけている点です。つまり、介護が必要な状態が解消されたなら本人が自分で行っていたはずの家事を、ヘルパーが代わりに行うという枠組みが土台にあります。そのため「本人のための」調理・買い物という枠組みが前提になっており、内容が本人の日常生活に直接関わるものかどうかが、対象になるかどうかの判断軸のひとつになります。

実際にどこまでの調理(品数や手間のかかり具合)、どのような買い物(店舗数や購入品目の範囲)が個別のケアプランで認められるかは、老計第10号の条文だけで一律に決まるものではなく、事業所やケアマネジャーとの相談を通じて具体的に決めていくことになります。事業所探しの段階では「一般的な調理とはどの程度の内容を想定していますか」「買い物は何店舗まで、何を目安に対応してもらえますか」といった具体的な聞き方で確認すると、認識のズレを防ぎやすくなります。最終的な内容はケアプランに落とし込まれるため、サービス担当者会議の場でも改めてすり合わせておくと安心です。

生活援助で頼める買い物・調理支援の流れ(買い物→調理→配膳→後片付け)を示す図

03生活援助で頼めないと整理されている事項(老振第76号)

老計第10号とあわせて確認しておきたいのが、老振第76号(平成12年11月16日「指定訪問介護事業所の事業運営の取扱等について」)です。この通知の別紙は、生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例を、大きく2つの分類・3つの具体例群で整理しています。ひとつは「『直接本人の援助』に該当しない行為」として、主として家族の利便に供する行為や家族が行うことが適当と判断される行為(利用者以外の者に係る洗濯・調理・買い物・布団干し、居室等以外の掃除、来客の応接、自家用車の洗車・清掃など)です。

もうひとつは「『日常生活の援助』に該当しない行為」で、その中に2つの例が挙げられています。1つ目は訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為(草むしり、花木の水やり、ペットの世話など)、2つ目は日常的に行われる家事の範囲を超える行為(家具・電気器具等の移動や修繕、大掃除、窓のガラス磨き、床のワックスがけ、正月・節句等のために特別な手間をかけて行う調理など)です。

ただし、これらはあくまで「一般的に介護保険の家事援助の範囲に含まれないと考えられる事例」として示されたものであり、平成19年12月20日の厚生労働省老健局事務連絡では、こうした対象外の例について「原則、算定できないが、一律機械的に不可としてはいけない」とされています(この事務連絡そのものの原文は確認できていませんが、複数の自治体資料でこの趣旨の引用が確認できます)。利用者本人ができるかどうか、同居家族の状況、やむを得ない事情の有無などを総合的にアセスメントする必要があるという考え方です。そのため「これは対象外の例に載っているから絶対に無理」と自己判断せず、個別の事情がある場合は率直に事業所・ケアマネジャーに相談することが大切です。例えば「同居家族はいるが日中ほぼ不在で家事を担う余裕がない」といった事情がある場合は、その状況を具体的に伝えたうえで、ケアプラン上どう位置づけられるかを確認してみてください。

04身体介護として頼める「共に行う」買い物・調理支援

買い物や調理の支援は、生活援助だけでなく身体介護として位置づけられる場合もあります。老計第10号の身体介護区分には「自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助」という項目があり、その具体例として「利用者と一緒に手助けや声かけ及び見守りしながら行う調理、配膳、後片付け(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)」や「車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助」が明記されています(平成30年改正で、身体介護における見守り的援助の明確化が図られ、服薬の見守りや掃除・洗濯・調理などを一緒に行う場面の例示が新たに追加されました)。

これは、ヘルパーが家事を「代行」する生活援助とは異なり、本人ができる範囲のことは本人に行ってもらいながら、ヘルパーが安全確認や声かけ、部分的な介助を行う「共に行う」支援です。たとえば「認知症はあるが調理の手順を一緒に確認しながらなら本人も台所に立てる」「歩行は不安定だが車椅子介助があれば本人が店で商品を選びたい」といった希望がある場合、こうした身体介護の見守り的援助として組み立てられる可能性があります。

同じ「買い物・調理支援」という言葉でも、代行してもらうことを重視するのか、本人の自立や意欲を活かしながら一緒に行うことを重視するのかによって、生活援助と身体介護のどちらに位置づけられるかが変わってきます。どちらが適切かはケアプランの目標設定やご本人の状態によって異なるため、「本人にどこまでやってもらいたいか」「見守りや部分的な介助でどこまで対応してもらえるか」を、事業所やケアマネジャーに具体的に伝えて相談することが欠かせません。

05服薬に関わる支援の線引き(介助と管理の違い)

買い物・調理支援の相談の中で、あわせて聞かれることが多いのが「薬」に関わる支援です。まず整理しておきたいのは、老計第10号の「薬の受け取り」(生活援助2-6)は、あくまで薬局や医療機関から薬を受け取ってくる代行行為であり、服薬そのものの介助とは別物だという点です。

服薬に直接関わる支援としては、老計第10号の身体介護区分に「服薬介助(水の準備→配剤された薬をテーブルの上に出し確認→本人が薬を飲むのを手伝う→後かたづけ・確認)」という項目があり、これは本人が薬を飲むのを手伝う行為として身体介護に位置づけられています。また、見守り的援助(自立生活支援)の区分には「本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促す」という行為も例示されています。つまり「介助」(手を貸して飲むのを手伝う)と「見守り・声かけ」(本人が自分で飲めるよう促す)は、老計第10号の中でも別の行為として整理されているということです。

一方で「薬の管理」(何をいつどれだけ飲むかの専門的判断、飲み合わせの確認、体調に応じた調整など)は、医療職の専門的な判断が関わる領域であり、ヘルパーが単独で担う範囲を超える可能性があります。買い物のついでに「薬もまとめて管理してほしい」という希望がある場合は、それが受け取りの代行なのか、飲む場面での介助なのか、それとも管理そのものを指しているのかを整理したうえで、事業所やケアマネジャー、必要に応じて医師・看護職員に確認することをおすすめします。線引きに迷う場合こそ、自己判断せず専門職に相談する場面です。

06買い物・調理の中で医行為に関わりそうな場面の考え方

買い物や調理の支援を続けていく中で、体調管理や薬の取り扱いに関連して「これはヘルパーに頼んでよいことなのか」と迷う場面が出てくることがあります。この判断の土台になるのが、平成17年の医政局長通知(医政発第0726005号)です。この通知は「医行為」を「医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為を、反復継続する意思をもって行うこと」と定義したうえで、ある行為が医行為にあたるかどうかは、個々の行為の態様に応じて個別具体的に判断するとしています。

同通知では、水銀体温計・電子体温計での体温測定や、自動血圧測定器での血圧測定などは「原則として医行為ではない」と整理されています。また、軟膏塗布・湿布貼付・点眼・一包化された内服薬の内服介助などについても、(1)容態が安定していること、(2)医師や看護職員による連続的な経過観察が必要でないこと、(3)医薬品の使用方法に専門的な配慮が必要でないこと、という3条件を医師・歯科医師・看護職員があらかじめ確認し、本人や家族に伝えていることを前提に、原則医行為ではないとされています。ただし同通知は「病状が不安定であること等により専門的な管理が必要な場合には、医行為であるとされる場合もあり得る」とも注記しており、一律の断定はできない領域です。

買い物・調理支援の場面でいえば、薬の受け取り代行自体は生活援助の一項目ですが、その先にある服薬や体調管理に専門的な配慮が必要かどうかは、個別の状態によって変わります。「ヘルパーは医療行為が一切できない」あるいは「これくらいなら医療行為ではないので何でも頼める」といった単純な断定はできません。迷う場合は、事業所のサービス提供責任者や、サービス担当者会議を通じて主治医・看護職員に確認してもらうという流れを、ケアマネジャーに相談してみてください。

07要支援の場合は「総合事業」で内容が変わる

ここまで説明してきた老計第10号の生活援助・身体介護は、要介護1〜5の認定を受けた方が利用する訪問介護の枠組みです。要支援1・2の認定を受けている方が利用するのは、これとは別の制度である「介護予防・日常生活支援総合事業(総合事業)」の訪問型サービスになります。

厚生労働省の資料によると、総合事業の訪問型サービスは、現行の訪問介護に相当する「訪問型サービス」に加えて、雇用労働者による基準を緩和した「訪問型サービスA」、住民主体の支援である「訪問型サービスB」、保健・医療専門職による短期集中の「訪問型サービスC」、移動支援の「訪問型サービスD」といった類型に整理されています。そして、これらはあくまで市町村が地域の実情に応じてサービス内容を検討する際の参考として国が示した例であり、実際のサービス内容・基準・単価は市町村が独自に定めるものとされています。

つまり、要支援の方が受けられる買い物・調理支援の内容は、老計第10号がそのまま当てはまる訪問介護とは異なり、お住まいの市区町村ごとに内容や基準が違う可能性があります。「要介護の人はこう聞いたから、要支援の自分も同じはず」と思い込まず、要支援の認定を受けている場合は、まず地域包括支援センターや市区町村の窓口に「総合事業の訪問型サービスで買い物・調理支援はどこまで頼めますか」「どの類型のサービスが自分の地域で用意されていますか」と確認することが欠かせません。

訪問介護(要介護1〜5対象)と総合事業(要支援等対象)は制度上別のものであるという点を押さえておくと、事業所やケアマネジャーとの相談もスムーズになります。また、認定の更新などで要支援から要介護、あるいはその逆に区分が変わった場合は、それまで受けていた買い物・調理支援の内容や仕組みも変わる可能性があるため、区分変更のタイミングでは改めてケアマネジャーに支援内容を確認し直すとよいでしょう。

08事業所探し・ケアマネ相談で確認すべきこと

買い物・調理支援を検討するときは、最終的に次の点を事業所やケアマネジャーと一緒に確認していくことになります。まず、希望する支援がケアプラン上「生活援助」「身体介護(見守り的援助)」「総合事業の訪問型サービス」のどれに位置づけられるのかです。同じ「買い物に付き添ってほしい」という希望でも、代行してもらいたいのか、本人が選ぶのを手伝ってほしいのかによって位置づけが変わるため、希望する支援のイメージをできるだけ具体的に伝えることが大切です。

次に、同居家族がいる場合は、その家族が家事を担うのが難しい事情(仕事の状況、体調、障害の有無など)を伝え、「一律機械的に不可としない」という考え方のもとで、個別の状況をどう考慮してもらえるかを相談してみてください。来客対応やペットの世話、大掃除のような老振第76号で対象外の例として挙げられている内容を希望する場合も、まずは正直に希望を伝えたうえで、事業所・ケアマネジャーの判断を仰ぐのが安心です。

そして、料金や単位数の具体的な仕組みについては、このガイドでは断定的な金額を示せません。自己負担の割合や単位数の考え方は制度や個々の状況によって異なるため、必ず事業所の重要事項説明書やケアマネジャーへの相談、市区町村の窓口で確認してください。具体的な確認の進め方としては、(1)ケアマネジャーに希望する買い物・調理支援の内容を伝える、(2)ケアプラン案の中でどう位置づけられるかを確認する、(3)候補となる事業所に同じ内容を伝えて対応可能か確認する、(4)サービス担当者会議で最終的な内容と料金の仕組みをすり合わせる、という流れを踏むと、後から「思っていた内容と違った」というズレを防ぎやすくなります。

FAQ

このガイドのよくある質問

生活援助は「利用者が単身、または同居家族が障害・疾病などのため家事を行うことが困難な場合」に利用が検討される支援です。同居家族がいるだけで一律に対象外となるわけではなく、就労状況や体調などやむを得ない事情がある場合は個別に検討されます。「一律機械的に不可としてはいけない」という考え方もあるため、まずは家族が家事を担うのが難しい具体的な事情を、事業所・ケアマネジャーに率直に伝えて相談してください。
老計第10号では調理について「一般的な調理、配下膳」と記載されており、日常的な食事づくりと配膳・後片付けが対象として整理されています。ただし何品まで、どの程度手間をかけた調理が認められるかは条文だけで一律に決まるものではありません。事業所やケアマネジャーに「どの程度の内容を想定しているか」を具体的に確認し、ケアプランにすり合わせて決めていくことが必要です。
老計第10号は生活援助の内容として「薬の受け取り」を明記しており、薬局や医療機関からの受け取り代行は想定されている行為です。ただし、これは受け取りの代行であり、服薬そのものの介助や薬の管理とは別物です。服薬の介助や体調に応じた管理まで希望する場合は、内容を整理したうえで事業所・ケアマネジャー、必要に応じて医師・看護職員に確認してください。
同じではありません。要介護1〜5の方が利用する訪問介護(老計第10号の生活援助・身体介護)と、要支援の方が利用する介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスは制度上別の枠組みです。総合事業の内容・基準は市町村ごとに異なるため、要支援の場合の買い物・調理支援の範囲は、地域包括支援センターや市区町村の窓口へ確認する必要があります。
老計第10号の身体介護区分にある「見守り的援助」には、車椅子等での移動介助を伴い本人が自ら店で品物を選べるよう援助する行為が例示されています。ヘルパーが代行するのではなく本人と共に行い、安全確認や声かけを伴う形の買い物は身体介護として位置づけられる場合があります。どちらに該当するかはケアプランの内容によって変わるため、事業所・ケアマネジャーに相談して決めることになります。

Sources

参照・確認する一次情報

制度や費用は変更されることがあるため、公式情報と事業所の資料を確認しながら更新します。

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